旧richardkoshimizu's blog

首切りビジネスが、日本型人生モデルを崩壊させる。

<<   作成日時 : 2016/03/16 10:30   >>

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小学3年生から中学受験でキチガイじみた詰め込み教育に放り込まれ、遊びたい盛りに土日も受験塾で縛られ、首尾よく有名中高一貫校に合格し、東大や東工大や一橋に入学し、天下のOG製紙に入社して、これで人生安泰、勝ち組だ―。

となるはずだったのが、40代半ばにして、会社に添付スタッフの首切りマニュアルを使われて、退職を強要される。ちょっと、上司の役員の機嫌を損ねるような「出た釘」的な目立つ行為をしたのがまずかったか?専務の派閥に加わることを拒絶したのがまずかったか?

再就職は斡旋されたが、再就職先では、部付き部長待遇で実質的な仕事はない。同僚からも冷たい視線で見られている。2年くらいでまた首になる。最初からそう仕組まれている。添付スタッフには、OG製紙からは、また、成功報酬が支払われる。

路頭に迷い、一家離散。俺は東大を出ているのに....

辞めさせられた鈴木さんの末期を知ったOG製紙の同僚たちは、会社のリストラの網に引っ掛からないように、可もなく不可もなくののらりくらりの会社人生。上役の顔色ばかり窺い、新しいこと、画期的なことは何もしない。ひたすら保身。

結果、日本企業からは、ほかに行くあてのある有能な社員から先に辞めていき、凡庸な平均点社員だけが残る。会社から活力が失われ、シャープ化。だが、このリストラで人件費が削減され、業績はさほど悪くない。内部留保も増えている。本業は良くないが、当面、一見すると好業績に見える。だが、そのうち、有為な人材が去ったツケが回ってくる。新規事業展開がなくなる。開発商品がどれも当たらない。じりじりと追い詰められ、気が付くと倒産予備軍。また、リストラ。

ま、旧来の日本型人生モデルが崩壊しているわけですが、それはそれで、新しいものを生み出す原動力になると期待します。米国1%の破綻の後には、新たな社会牽引者が無数に登場して起業していくと思います。社員一人一人を大事にして、社員の能力とやる気を引き出すことのできる企業経営者が。

OG製紙も添付スタッフも、反面教師という意味で、先の展開のためには必要悪なのでは。

悪しきものを悪しきものと社会が認識するには絶好の機会です。

2016/3/15 07:30

【安倍政権は「1億総活躍」どころか、「1億総リストラ」社会へ向け、ひた走っている。】 ◆安倍政権の基準厳格化もザル “首切りビジネス”は止まらない(日刊ゲンダイ)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/177220

不要な社員を退職させて助成金で儲ける「首切りビジネス」が横行しつつある。政府は4月から助成金の支給基準を厳格化する方針だが、“首切り自由化”の流れは止まらない。安倍政権は「1億総活躍」どころか、「1億総リストラ」社会へ向け、ひた走っている。 厳格化のきっかけは、製紙大手・王子HDのリストラ策が衆院予算委などで問題視されたこと。王子は人材大手・テンプスタッフの“首切りマニュアル”に基づき退職勧奨を行っていた。その後、テンプに手数料を支払い、不要な社員の再就職支援を依頼。支援を依頼した時点で10万円、再就職完了後は、国から社員1人当たり最大60万円の「労働移動支援助成金」を受け取っていた。要するに、助成金の受給をあて込んだビジネスモデルである。 (中略)

「王子HDとテンプスタッフの“首切りビジネス”は許し難いことです。ところが、塩崎大臣や王子HD、テンプスタッフも問題を明確に認めようとしません。これがおとがめなしならば、首切りが“自由化”されたも同然。日本にいる約6400万人の労働者は、将来的に路頭に迷うことにもなりかねません。今後もしっかりと追及しなければなりません」

このご時世、一度首を切られれば再就職は難しい。「1億総リストラ」社会の到来が間近に迫っている。
special thanks